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はてなブックマーク - 2012 December Mix for USEN by DJ Hiroko Otsuka
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2012 December Mix for USEN by Hiroko Otsuka
Text = FK


1周年を迎え、2年目となる2012年の最後を飾る12月の
「Exclusive Mix from hydeout productions official shop tribe」は
ワン&オンリーな「JAZZのグルーヴ」を紡ぎだすDJとして、都内をはじめ
日本各地のフロアーでも数多くプレイする女性DJ、大塚広子による
エクスクルーシブミックスをお届けします。

徹底的なアナログレコードへの愛情を感じさせると共に、ジャズの持つ
うねりやグルーヴを拾い上げながら一つの世界にまとめあげる独創性溢れる
プレイで多くの音楽ファンを唸らせて来た大塚広子。

近頃では、多くのクラブイベントに召還され非常に高い人気を誇る彼女で
あるが、同時に吉祥寺のジャズ喫茶「メグ」でのレコードプレイを絡めた
トークイベントや、新宿のライブハウス「ピットイン」でのジャズライブでの
プレイ、ラジオ出演、そして自身がオーガナイズする六本木アルフィーでの
ラウンジイベントなど、単なるクラブイベントに留まらない様々な場所で
活躍している。

今回のミックスでは実に彼女らしい解釈で綴られ、ジャズの魅力が
存分に味わえると共に、普段フロアでは聞かれないような楽曲も多くセレクト
されており、彼女のジャズへの強いこだわりと愛情が感じられる内容となっている。
正に人から発せられる「魂の躍動」ともいうべきうねりを感じさせるかの
ようなジャズの持つグルーヴと世界観を追求しながら、ジャズが誕生した
アメリカから、その音楽的ルーツを辿りアフリカ、そしてジャズが分岐し
拡散していったヨーロッパ~日本へとミックスは世界・時代を横断しながら
展開していく。

その膨大かつ非常に入手困難なレコードのコレクションをも駆使しながら
縦横無尽に展開されるこのミックスは、まさに一つの世界ともいうべき
徹底的な統一感と説得力に満ちあふれている。

冬の美しい夜空が煌めく12月。この大塚広子の熱の籠ったジャズミックスに
じっくりと耳を傾けてみてください。

<Hiroko Otsukaからのコメント>

日本ジャズ界が残したディスクジョッキー入り(?)ハードバップから、
ドン・チェリーの北欧もの~ナイヤビンギ~アフロ~、そして日本の80年代から今までを
駆け足でたどってみました。いろんな音質が入り混じった今のわたしの生音感そのものです。

“USEN mix December mixed by DJ Hiroko Otsuka


01.YUI SHOICHI / UN POCO LOCO(Bud Powell)
02.YUI SHOICHI /  TEMPUS FUGIT (Miles Davis)
03.ART BLAKEY & THE JAZZ MESSENGERS /  HANK’S SYMPHONY
04.HANK MOBLEY / THREE WAY SPLIT
05.GEORGE RUSSELL / ELECTRONIC SONATA PART I
06.ST. GERMAIN /  ROSE ROUGE
07.WEBSTER LEWIS / CLUB 7 LATIN
08.EDDIE HARRIS  /  TURBULENCE
09.DON CHERRY  /  MOVING PICTURES FOR THE EAR
10.MYSTIC REVELATION OF RASTAFARI  / NARATION
11.JIMI TENOR ,TONY ALLEN / THREE CONTINENTS
12.KING SUNNY ADE & HIS AFRICAN BEATS / MAA JO
13.ムクワジュ・アンサンブル / ティラ=リン
14.小野誠彦 / MALLETS
15.9dw / FIND YOUR LOVE


[ 一部収録曲紹介 ]


・Yui Shoichi「Un Poco Loco」(from「じ・あめいじんぐ油井正一 vol.1」Promo)

このUsenのミックスシリーズの中でも初めての
異例のナレーションが入った曲でミックスは幕を明ける。

名門ジャズレーベル「Blue Note」の日本のファンの
ための会「Blue Note Club」の会員のみに配布されて
いたLPに収録されいていたこの曲は、日本の
ジャズ評論家の第一人者として名高い故油井正一氏が
ハードバップジャズの解説を交えながら楽曲を
紹介していくというもの。

よりビートが強調されアクロバティックな演奏を
展開することで最盛を極めたハードバップの特徴を
Quincy Jonesの発言を引用しながらも簡潔かつ
見事に解説する氏の手腕も聞き所のひとつ。
近年、DJプレイだけでなくジャズ喫茶等での
トークイベントも積極的に参加する彼女らしい
幕開け。




・Hank Mobley「Three Way Split」(from 「No Room for Squares」Album)


Blue Noteレーベルのハードバップチューンを
中心に、ジャズの醸し出す魅力・空気感を存分に
感じさせてくれるミックス前半部分。
このHank Mobley「Three Way Spilit」も
Blue Noteを代表するアルバム「No Room for Squares」
からの一曲。
疾走する4ビートのリズムに軽やかなピアノリフに
歯切れの良いホーンアンサンブルからまるでビロードの
ようにたなびくHank Mobleyのサックスが
心地よい流れを生み出していく。

どうしてもアクセントの強いビートに心を
奪われがちなヒップホップ・レアグルーブ以降の
世代にも、音を「流れ」で受け止めるジャズ的な
視点の素晴らしさを教えてくれるかのような
ユニークかつこだわりを感じさせる選曲と
なっている。




・George Russell「Electronic Sonata Part I」(from 「Electronic Sonata – 1968」Album)

ジャズの王道とも言うべきハードバップの解説部分的な
ミックスの導入部から、その後への展開を示唆するかの
ような一曲へミックスは展開する。

複雑・難解化を極めシュリンクしかかっていた
ハードバップ末期、画期的な音楽理論
「リディアン・クロマチック・コンセプト」の著者としても
有名な故George Russellによる「Electronic Sonata Part I」。
グルーヴィーなベースラインを軸にビックバンド
電子楽器等が縦横無尽に交差するアブストラクトジャズ。
まさにジャズがジャズを乗り越えようとしていた時代の
熱気を感じさせてくれる一曲。




・St. Germain「Rose Rouge」(from 「Rose Rouge」12′)

そしてミックスは時代を一気に遡る。
ハードバップからポストハードバップ・モーダルの
流れを示唆したその先は、2000年にBlue Noteより
リリースされたSt. Germainによる「Rose Rouge」。

非常にシンプルかつミニマリズム溢れるピアノリフの
サンプリングにミュートトランペットが軽やかに
インタープレイを繰り広げる。
ジャズがインタープレイを追求し続け、構造の変形
破壊、再構築を繰り返してきた結果の一つを示唆している
かのような、実験的であり完成度の高いジャズハウス
チューン。




・Webster Lewis「Club 7 Latin」(from 「In Norway The Club7 Live Tapes」Album)

ミックスは当時日の目を浴びる事の無かった
「失われた名演」にもスポットを当てる。

後にジャズ・フュージョンフィールドで活躍する
ピアニスト、Webster Lewisがデビュー当時、ノルウェーの
インディペンデントレーベルからリリースしていた非常に
レアなライブアルバムに未発表音源を追加して
近年リリースされた「In Norway The Club7 Live Tapes」に
収録されていた「Club 7 Latin」。

今までなぜリリースされなかったのかが不思議なほどに
完成されたリズムセクションの上で繰り広げられる
素晴らしい演奏は、現在のダンスフロアーでも十分に
通用するであろうキラージャズダンスチューン。




・Don Cherry「Moving Pictures For The Ear」(from 「The Eternal Now」Album)

ミックスはアブストラクトジャズの極北にも足を踏み入れる。
アフリカをはじめ、インド・中近東の音楽との融合も
試みた奇才ジャズトランぺッターDon Cherryが
73年にスウェーデンで録音したアルバム
「The Eternal Now」に収録されているこの
「Moving Pictures For The Ear」は、脈々と
繰り出されるパーカッション+ベースのオスティナートに
よる呪術的なグルーヴに、どこか懐かしさも感じさせる
メロディーラインが展開される独創性溢れる名作。




・Jimi Tenor ,Tony Allen「Three Continents」(from 「Inspiration Information Vol. 4」Album)

ミックスはより土着的なルーツミュージック路線へと
回帰していく。
現在の気鋭アーティストと数々の名作を残して来た
レジェンドが数々のセッションを積み重ねて作品を構築
していくという企画「Inspiration Information」の
第4段として発表されたアルバムからの一曲である本作は
Fela Kutiと共に、アフロビートの創世に尽力した
パーカッショニストTony Allenとフィンランドを拠点に
活動を展開するJimi Tenorによるもの。

Jimi Tenorの大ファンと公言する彼女のこだわりの
セレクトでありながら、実にミックスの中でも大きな
説得力を放つ現代トライバルアフロジャズ最高峰。




・小野誠彦(Ono Seigen)「Mallets」(from 「Seigen」Album)

ルーティンはアフリカの大地を飛び立ち、やがて
日本へと帰還する。
マリンバのミニマルなリフレインに四つ打ちのビートが
繰り出され、ニューウェイブ的な空気感を醸し出す
84年リリースの小野誠彦「Mallets」へと展開する。
Steve Reichの影響も感じさせる、ミニマル
ポリリズミックなリフから変拍子へと変化していく
ユニークでありながらも、どこか和のテイストも
感じさせてくれる一曲。





・ 9DW「Find Your Love」(from 「NINE DAYS WONDER」Album)

以前に彼女自身のブログでも取り上げられていた
斉藤健介によるプロジェクト9DW「Find Your Love」で
ミックスは幕を閉じる。

軽快に刻まれるビートにコズミックテイスト溢れる
シンセのベース、そしてギターのメロディーが繰り出される
フュージョンサウンドを軸にしながらも、確実にそれとは
違うグルーヴ感覚をいとも簡単に融合してみせる
9DWの独創性溢れる音楽性が滲み出た傑作。

元はハードコアフィールドでも活躍していたという
経歴もある斉藤。一見、肌触りの良いフュージョン
サウンドを装いながら、その陰で中毒性の高い
毒(=グルーヴ)を盛る。
その用意周到かつ確信犯的なサウンドセンスに
彼女の鋭い音楽感性は大きく心揺さぶられたのであろう。

まさにグルーヴを旅する世界旅行のようなミックスは
この9DWで幕を閉じる。
そして彼女の「音楽の旅」はまだまだ続くであろう。





大塚広子(おおつか ひろこ)DJ/ライター profile:



2004年以降、ワン&オンリーな”JAZZのグルーヴ”を起こすDJとして年間160回以上のDJ経験を積んできた。徹底したアナログ・レコードの音源追求から生まれる説得力、繊細かつ大胆なプレイで多くの音楽好きを唸らせている。
渋谷の老舗クラブTheRoomにて11年目に突入した人気イベント「CHAMP」でのレギュラーDJ、老舗ライヴハウス、六本木アルフィーでのメインDJをはじめ、日本中のパーティーに出演。ジャズ喫茶でのイベント・プロデュースなど、ジャズ界の垣根を越えたその柔軟なセンスで音楽の様々な楽しみ方を提示している。

日本のジャズ・レーベルである、「トリオ」(ART UNION)、「somethin’else」(EMI Music Japan)、「DIW」(DISKUNION)、「VENUS」(VenusRecord)のMIXCDと、スウェーデン・ジャズを中心とした、スパイス・オブ・ライフ・レーベルのコンパイル作品「Music For Reading」(ディスクユニオン)を発売。過去リリースCDの売上数は延べ1万枚を超える。

2010年、スペインでのDJ招聘、「FUJI ROCK FESTIVAL2010」の出場。2012年、BLUE NOTE
TOKYOにて日野皓正らと共演。老舗ライブハウス新宿PIT
INNのDJ導入を提案、菊地成孔と共演(TBSラジオ出演)。総動員3万人に及ぶアジア最大級のジャズ・フェスティバル「東京ジャズ2012」にDJとして初の出演。その他BrooklynParlorでのDJや、雑誌、webレビュー連載、ディスク・ガイドブックやCDライナー執筆など幅広いフィールドで活躍中。

オフィシャルHP ▶http://djotsuka.com



Next Notice

次回1月の「Exclusive Mix from hydeout productions official store tribe」は、
Grap LuvaとRob-Oをフィーチャーした曲でも話題となったフランスのアーティスト「Kalhex」のプロデューサー「Lex of Kalhex」によるエクスクルーシブミックス!

Exclusive Mix from hydeout productions official shop tribe


USEN

D-63 JAZZY HIP HOP
平日
22:00〜23:00
土日
12:00〜13:00
18:00〜19:00
22:00〜23:00 

1時間番組(月間更新)

※月〜金 12:00〜13:00は
アーカイブ放送として
今までのMIXをランダムに
オンエア中。




12月放送分

metaphorical music



Track List

“USEN mix December mixed by DJ Hiroko Otsuka

01.YUI SHOICHI / UN POCO LOCO(Bud Powell)
02.YUI SHOICHI /  TEMPUS FUGIT (Miles Davis)
03.ART BLAKEY & THE JAZZ MESSENGERS /  HANK’S SYMPHONY
04.HANK MOBLEY / THREE WAY SPLIT
05.GEORGE RUSSELL / ELECTRONIC SONATA PART I
06.ST. GERMAIN /  ROSE ROUGE
07.WEBSTER LEWIS / CLUB 7 LATIN
08.EDDIE HARRIS  /  TURBULENCE
09.DON CHERRY  /  MOVING PICTURES FOR THE EAR
10.MYSTIC REVELATION OF RASTAFARI  / NARATION
11.JIMI TENOR ,TONY ALLEN / THREE CONTINENTS
12.KING SUNNY ADE & HIS AFRICAN BEATS / MAA JO
13.ムクワジュ・アンサンブル / ティラ=リン
14.小野誠彦 / MALLETS
15.9dw / FIND YOUR LOVE








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