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はてなブックマーク - 『バー・ブエノスアイレス ~カルロス・アギーレに捧ぐ』
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『バー・ブエノスアイレス
~カルロス・アギーレに捧ぐ』

interview : 吉本 宏 (bar buenos aires)


bar buenos aires photo by Matías Marcelo King

2010年に吉本宏氏、山本勇樹氏、河野洋志氏、の3名によって立ち上げられた選曲会「バー・ブエノスアイレス」。現在までに十数回の選曲会の他にも、アグスティン・ペレイラ・ルセーナの日本初ライヴやカルロス・アギーレの初来日公演をサポートするなど、「バー・ブエノスアイレス」を通じ、僕たちに世界の美しい音楽を紹介してくれている。

photo by Ryo Mitamura

そんなバー・ブエノスアイレスが、これまで紹介してきたアルゼンチンの美しい音楽の中から、カルロス・アギーレにまつわる曲を厳選し発表した集大成的内容のコンピレーションアルバム『バー・ブエノスアイレス~カルロス・アギーレに捧ぐ』をリリースした。カルロス・アギーレ本人の貴重な音源や彼の音楽に影響されたアーティストが共鳴し生み出された作品が収録されており、アルゼンチンの生きた情景が浮かんでくるような豊潤で美しい旋律の数々が収録されている。ソフトで温かみのある内容は、心を解きほぐしてくれるような、どこか懐かしさを感じる一時を与えてくれる。そして何よりもこのアルバムからはバー・ブエノスアイレスのカルロス・アギーレへの敬愛を深く感じられる。


今回はこの情緒豊かな作品を生んだカルロス・アギーレについて、そして良い音楽があれば、地球の反対側まで足を運ぶ・・・バー・ブエノスアイレスについて、吉本宏氏にインタヴューさせて頂きました。


●まず、カルロス・アギーレとの出会いを教えて下さい。

2009年の春、友人のHMVのジャズ・ワールド担当バイヤー山本勇樹くんと音楽の情報交換をしている中で、カルロス・アギーレが2008年に発売した『Violeta』というアルバムに出会いました。そのサウンドは、これまでに接した音楽とは一味違い、河の流れや風の音を感じさせるような、どこか自然の雄大さを想像させる雰囲気をもっていました。

当時は、彼のCDは日本では手に入りにくく、山本くんと手をつくして彼のCDを探していました。そして、あるとき、カルロス・アギーレ・グルーポ(グループ)のファースト・アルバム『Crema』を手に入れ、二人ともその内容の素晴らしさに、完全にノックアウトされてしまいました。

彼の音楽のよさをもっと広めたいという想いで、2010年の1月から山本くんと渋谷のバー・カコイという店で、カルロス・アギーレの音楽と共鳴するさまざまなジャンルの音楽をかける選曲会bar buenos airesを始めました。たくさんの音楽好きが集まり、にわかにカルロス・アギーレが話題になり始め、ようやく彼のCDも日本で流通を始めました。選曲会では、Nujabesの「Kumomi」や「A Day by Atmosphere Supureme」などもかけました。

その頃、bar buenos airesのメンバーであるHMVの渋谷店のマネジャーだった河野洋志さんがアルゼンチンを旅し、様々な人たちの協力によって、ついにカルロス・アギーレと会うことができたのです。そして、僕たちの想いを伝え、日本での国内盤の発売と来日をすることを約束してくれました。


その来日公演も素晴らしく、その音楽はもちろん、彼の優しい人柄がにじみ出たステージは、僕たち音楽仲間をはじめ、多くの人に感動を与えてくれました。


●カルロス・アギーレを初めて聞くリスナーもいるかと思いますので、カルロス・アギーレについてどういうアーティストなのか教えて下さい。


人の真の優しさを見出す芸術家で、彼の音楽には繊細で人間的な温もりがあります。アルゼンチンの伝統的なフォルクローレに根ざしながらも、ジャズやクラシック、ブラジル音楽の影響を受け、それらをミックスし、詩情豊かな独自の音楽を作り出しています。これまでにグルーポで3枚のアルバムと1枚のピアノ・ソロをリリースしています。


特に、彼のギターとピアノに女性コーラスやギターを複数加えたグルーポが響かせるアンサンブルは唯一無二のサウンドを聴かせてくれます。今年の2月には『オリジャニア』という新作がリリースされます。

来日公演では、彼と行動をともにしたのですが、とても謙虚で常に感謝の気持ちをもち、ひとりひとりのために音楽を奏でていました。彼は、「音楽は人と人との出会いの可能性を広げるものだ」と語ってくれましたが、来日公演で多くの音楽好きな人たちと出会うことができ、そのことを実感しました。音楽がもつ力についての忘れられない言葉です。


●今回の「バー・ブエノスアイレス〜カルロス・アギーレに捧ぐ」がbar buenos airesの初のコンピとなると思いますが、このコンピレイションを作ろうと思った理由を聞かせて下さい。


僕たちは、来日公演ですっかりアギーレさんの音楽と人間的な魅力に取りつかれてしまいました。その彼への感謝の気持ちをこめて、カルロス・アギーレの作品のカヴァーや関連するアーティストの楽曲を中心に集めたコンピレイションをインパートメントのディレクター稲葉昌太さんと企画しました。彼の音楽はたくさんカヴァーされていますが、それらのアルゼンチンのCDをまとめて聴くことは、なかなかたいへんなことでした。


●今回収録されている楽曲の選曲はどういった理由で行いましたか?


繊細で美意識にあふれた彼の音楽のエッセンスをもった曲を中心に選曲しました。彼の作品はどれも曲がいいので、選曲を終えてプレイバックを聴くと、まるで彼の未知のアルバムを聴いているかのような感じを受けました。


1曲目のカルロス・アギーレとギタリストのキケ・シネシのデュオは、このコンピレイションを象徴する響きをもっています。また、今回はアギーレさんが、来日公演で日本のリスナーのために初披露してくれた「Hiroshi」という曲を、このコンピレイションのために新録をしてくれたので、ぜひお聴きいただきたいです。


●吉本さんがお勧めするこのアルバムを聴くリスナーにお勧めのアルバムを紹介して下さい。


カルロス・アギーレの音楽と共鳴する世界の様々なアーティストの作品です。弦やピアノなどが美しい作品が多いです。



Balmorhea // River Arms




Balmorhea // River Arms




Girl With The Gun // Girl With The Gun



Alejandro Franov // En Piano




Pat Metheny & Lyle Mays //As Falls Wichita So Falls Wichita Falls


●これからカルロス・アギーレの音楽に出会うリスナーや今既に彼の音楽に触れたリスナーに対してメッセージをお願いします。


新しい音楽に出会うことは大きな歓びです。そんな感覚を共有する場がbar buenos airesの選曲会なのです。現在場所を変え渋谷のSARAVAH東京で奇数月の第2水曜日に開催しています。


NujabesやHydeoutの紹介する音が好きな方も、かならず共鳴できる音があると思います。また、ホーム・ページでは、様々な音楽紹介や選曲会の告知などを行っています。次回の選曲会は3月14日(水)。ぜひ遊びに来て、気軽に声をかけてください。



【吉本 宏】

SUBURBIA〜Café Après-midiプロダクツでの執筆や、usen for Café Après-midiの選曲、MUZAKや澤野工房、セレスト、Spice of Life、disques dessineeのCDのライナー・ノーツなどを手がける音楽文筆家。2010年より山本勇樹氏、河野洋志氏と共にbar buenos airesを主宰。2007年には、アントニオ・カルロス・ジョビンの生誕80周年を機にリオデジャネイロを訪れ、映画「This is BOSSA NOVA」のパンフレットのためのカルロス・リラへのインタヴューなどを行う。2009年には、イタリアの才能あるシンガー・ソングライター、ジョルジオ・トゥマの国内盤、2010年には、カルロス・アギーレの初めての国内盤のライナー・ノーツを手がけ、彼らの瑞々しい音楽の魅力を紹介。

bar buenos aires




『バー・ブエノスアイレス~カルロス・アギーレに捧ぐ』

Catalog No. : RCIP-0165
Release : 2011
Label : インパートメント

<CD album>
Price : ¥2,400(税込)

bar buenos aires


『バー・ブエノスアイレス
~カルロス・アギーレに捧ぐ

01.Seras Verdad? / Quique Sinesi
02.Laura Va / Carlos Aguirre Grupo
03.Pedacito de Río I / Rumble Fish
04.Los Tres Deseos de siemple / Ascaino-Menta
05.Pasarero / Rocío Palazzo grupo
06.Gincana / Lucas Nikotián & Sebastián Macchi
07.Milonga Gris / Tatiana Parra & Andrés Beeuwsaert
08.Media Luna / La Máquina Cinemática
09.Fui Al Río / Sebastián Macchi, Claudio Bolzani, Fernando Silva
10.Danza Sin Fin / Quique Sinesi
11.Carnaval / Rolo Rossi
12.Estampa De Río Crecido / Bélen Ilé
13.Pasarero / Ethel Koffman
14.Ronda del Pececillo de Plata / Carlos Aguirre
15.Preludio / Silvina López
16.La Espera / Javier Albin
17.Zamba de Usted / Alejandro Manzoni
18.Hiroshi / Carlos Aguirre *Bonus Track

Catalog No. : RCIP-0165
Release Date : 10 Nov 2011
Label : インパートメント
<CD album>
Price : ¥2,400(税込)



bar buenos aires


カルロス・アギーレ・グルーポ
Carlos Aguirre Grupo(Crema)

現代アルゼンチンの最重要アーティストにして、多くの
ミュージシャンや良心的リスナーの憧れと畏敬を一身に集める
天才、カルロス・アギーレ。
自身のグループを率い2000年に発表した傑作ファーストが、
満を持して国内盤正式リリース!
オリジナル盤特製アートワークを再現!

主要参加アーティスト:
カルロス・アギーレ(ピアノ/ヴォーカル/ギター
/パーカッション/アコーディオン)
キケ・シネシ(ギター)
シルヴィーナ・ロペス(ギター)
ホルヘ・マルティ(ギター)
フェルナンド・シルヴァ(ベース)
ホルヘリーナ・バルビエロ(ヴォーカル)
ナタリア・ダマディアン(コーラス)
アンヘリカ・エレ-ラ(コーラス)
ルイス・バルビエロ(フルート)

Catalog No. : RCIP0144
Release Date : 22 July 2010
Label : インパートメント
<CD album>
Price : ¥2,625(税込)



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